将棋下手の将棋好きー
最近3月のライオンが人気らしいですねー(棒)
何を隠そう僕は3月のライオンが好きじゃない。
いや・・・人気があるのは分る。
でも、それはあくまで青春グラフィティー漫画としてなんですよね。
そうですよね? ね?
何故なら、主人公の人格を将棋が侵食する事がないからである。
つまり、魔法少女が魔法を使える事で自分の精神性を変化させていく事がないのと同じ構造である。(まどマギはそれへのアンチテーゼだから除外してね)
だから、3月のライオンがどれほど将棋界の考証が正確であろうと僕はアレを将棋マンガとは呼ばない。
将棋が強い人が言うには将棋は対話であるらしい。
相手の指した手の意味を理解し、それに応じた適切な一手を相手に返す。
それが将棋の強さなんだそうだ。
ゆえに、将棋を突き詰める事はその人間の人格の根本を侵食するはずなのである。
ハチワンダイバーの菅田セリフで「僕は何で出来てる?情けないほど将棋だろ!」の言葉がある。
もちろん肉体の話ではない。菅田の精神は、人格は全てが将棋なのだ。
さて、翻って3月のライオンの主人公である。
結局彼の言動は「ちょっとお勉強が出来る秀才の苦悩」程度にしか見えない。
彼の言動一つ一つが将棋を裏切る物に見えて仕方が無い。
ゆえに、だからこそ、3月のライオンはあれほど売れるんだろう。
あと、10巻最後のエピソードが好評らしいが、悪いが、あれってWebマンガの「一億円返済日記」の第一話で主人公が既にやってるんだよね。しかも主人公が徒手空拳である分、3月のライオンよりも数段カッコイイしグッと来る。
10巻もかけて「一億円返済日記」の第一話に負けてんじゃねえよ!
僕にはもう一つ残念に思う将棋マンガがある。
それは「ひらけ駒」である。
将棋とそれに関わる母子のお話である。
将棋にのめりこむ息子とそれを見守る母親(シングルマザー)の物語である。
全体的に軽やかな雰囲気と幸福感に包まれた作品であるが、
将棋少年が棋士へと成る描写がすばらしい。
将棋を通して少年の心が成長、変貌する姿をとても丁寧に描いている。
一番僕の心をわし掴みにするエピソードは、ある将棋少年の父親が主人公の少年に
将棋を教えてくれと頼むエピソード。
お話全体は面白おかしいやり取りが中心で軽やかに描かれているが、
人は何故、人生を精一杯生きるべきなのかを問いかける、非常に根源的であり、
哲学的なお話なのだ。面白うてどこか悲しき物語。
かつ、親子の愛情を存分に描ききった傑作エピソードなのであるが・・・・・・
この「ひらけ駒」現在休載中なのである。
それはとても残念な事実である。
休載原因はネット上でも色々と語られているが、その内容を読むととてもやりきれない物である。
とても「富樫仕事しろ」とは言えない事情があるようだ。
しかし、いつかまた連載が再開される日が来て欲しいものだ。
あと、主人公少年のママには読んでいる人全員が萌える事間違い無し!と付け加えておこく事を忘れる俺ではない。